初心者のための「GPTでGA4」入門:準備編 | 株式会社ISSUN(イッスン)

初心者のための「GPTでGA4」入門:準備編

GPTでGA4

目次

ChatGPTでGA4を分析!

WEBご担当者の皆様、ようやくこの日がやって参りました。つまり、こういうことです。
あなた「うちのECサイト、去年より調子が悪いんだけど、対策どうしよう・・・」
GPT「問題点と対策をこちらにまとめました。」

google広告やbingのSEOといった集客からサイトに至るまで、サイト運営のキモである「集める」x「売れる」の問題点と対策を即座に表示してくれます。あとは気になる点をさらにChatGPTに質問してゆけば良いだけです。

まずはやってみよう!

上記のような回答を一発で得るには多少の慣れと経験が必要です。でも大丈夫!焦る必要は一切ありません。自分の言葉で質問して、納得の行かない回答だったらなんども質問してあげればいいだけです。ChatGPTは、イヤな顔ひとつせず、地道に正解に向かって問題解決のきっかけを提示してくれます。

それでは上記を例に作業してみましょう!と、データを入力するその前に、amazonで起こったあの忌まわしい事故の二の舞にならないよう、こちらの記事を参考にChatGPTのセキュリティを確保してください。

安全性が確保できたら、まずお使いのGA4※から気になるデータをエクスポートします、が、2023年5月時点ではまだ旧GA(UA)ユーザが多いと思いますのでUA版で説明します、GA4をお使いの方は適宜読み替えてください。(※無料web解析ツール:Googleアナリティクス4の略)

まずUAの左メニューから、集客>参照元/メディア> で「調査したい期間」のデータを表示させて画面右上の「エクスポート」から「Googleスプレッドシート」などを選択して、エクスポートします(下図矢印)。
同様に、集客>参照元/メディア> で先ほど表示させた「調査したい期間」の「昨年の同じ期間」のデータをエクスポートしておきます。

これで2つのデータがエクスポートされたと思います。それぞれスプレッドシートなどで表を表示させて、日付部分とデータ部分を選択します。(下図赤枠)

(データはダミーです)

選択した部分をコピーして、メモ帳などに貼り付けておきます。(下図:データ数値はダミーです)

そして、chatGPTに、以下の様に質問してみます。

:命令
以下の2つのデータは今年のデータと昨年のデータです。
この2つのデータから大きな差異をピックアップし、私がとるべき対策を表形式で教えて下さい。
:今年のデータ
 (メモ帳から今年のデータを貼り付ける)
:昨年のデータ
 (メモ帳から昨年のデータを貼り付ける)
:答え

以上です。

なお上の例のように「:命令」や「:条件」など、各文字行がどんな意味を持つのか書いてあげるとChatGPTの回答精度が高くなりますのでワンポイントスキルとしておさえて下さい。

で、少しすると以下が表示されます。

あとは、このデータに対して気になるポイントをどんどんChatGPTに質問して行けば良いだけです。
たとえば

上記のあなたが出力した回答の表には、 広告のメッセージ、キーワード、ターゲティング戦略の再評価と改善 という対策がありますが、もっと具体的な対策を表形式で教えて下さい。もし追加でデータが必要なら教えて下さい。

などです。もう少し、上記のChatGPTの回答プロセスを確認したい場合は、最初の質問を

:命令
以下の2つのデータは今年のデータと昨年のデータです。
この2つのデータから大きな差異をピックアップして表形式で表示してください。
:今年のデータ
 (メモ帳から今年のデータを貼り付ける)
:昨年のデータ
 (メモ帳から昨年のデータを貼り付ける)
:答え

すると以下のような表が出力され、差異を分析していることがわかります。

(データはダミーです)

上記の様に正しく差異を分析できていることが確認できたら、

:命令
上記の差分から考えられる問題点と対策を表形式でまとめてください。
:答え

と追加で質問すれば冒頭のような結果が得られます。

ChatGPTで出力された表をエクセル形式に変換したい

ChatGPTで分析業務を行う場合、質問には「表形式でまとめてください」などと入れておくと、表形式で出力してくれるので、ひと目見て判断しやすく時間効率も高くなります。が、ChatGPTが出力した表データはMD(markdown)形式といって、そのままではエクセルなどでは使えません。でも方法は簡単です。markdown-to-csv であればデータを変換ツールの運営側に渡すこと無く安全に変換できます。

まず、ChatGPTが出力した表データをエクセルなどで使いたい場合は、表が表示されている画面上のコピーアイコンをクリック(図矢印)

(データはダミーです)

PCに表データがコピーされたので、markdown-to-csv というオンライン変換ツールに移動して以下の作業をおこないます。

(データはダミーです)

1:Markdown Table を選択(ChatGPTの表はこの形式です)
2:先ほどコピーしたデータを貼り付けます
3:Excelを選択します
4:コピーを選択すれば、そのままスプレッドシートなどに貼り付けられます。
5:ダウンロードしたい場合は、こちらを選択します

上図で4を選択し、スプレッドシートに貼り付けた例がコチラです。キレイに表形式になっています。

(データはダミーです)

もっと大量のデータを読み込ませたい

以上で、準備編は完了です。以前は、ChatGPT上では上記の様なCSVデータは数行程度しか読み込んでくれませんでした。もし大量なデータを読み込ませたい場合はPythonなどのプログラミングに関する知識が必要で誰もがすぐに使える、という状態ではありませんでした。しかし、2023/05/13にコード・インタプリタという公式プラグイン等を有料版のChatGPTユーザに順次公開してゆく、とアナウンスされいよいよ本番です!
2023/07/09追記 7/7にアナウンスがあり、以下の要領でコードインタプリターが使える様になりました。プラグインを使ったプロンプト内容などは学習データとしてOpenAIに使われてしまう可能性があるため、ご利用の場合は、事前にオプトアウトしておかれることをオススメします。

2023/08/28 追記 コードインタプリタという名称が、Advanced Data Analytics に変更されました。以下、コードインタプリタ は Advanced Data Analytics として記載します。

設定>ベータ機能>Advanced Data Analytics をONに。日本語で使う場合の注意点はこちら

例えば、解析結果をグラフ表示させたい!

Advanced Data Analytics を使えば、たとえば

データを分析してわかりやすくグラフで表示して

と質問するだけで、


こんなふうに傾向値などをグラフで可視化もしてくれる!これでweb担当者の誰もが簡単にサイト改善、Web広告の改善ができそうです!
ただし日本語で利用の場合は工夫が必要です。2023/07/10追記

支払いすぎにならないか確認を

あまりに大量のデータをやりとりしていると、有料ユーザとしてクレジットカードを登録している場合、思っていた以上に課金される場合があります。デフォルトでは支払い上限設定のページで、 $120 が上限となっています。$96時点でメールでお知らせが送られ、$120に達した場合はそれ以上のデータをやりとりができません。これより少ない金額に抑えたい場合は設定を変更しておきましょう。

よい回答には、よい質問が必要

今後web担当者が、GA4やweb広告、自社のデータなどから、課題をみつけて解決策を得るために、どのような質問パターンが考えられるでしょうか。「chatGPT プロンプト 販売」などで検索すると、ChatGPTへの質問の仕方(プロンプト)を有料で販売しているサイトや個人がヒットします。まずはこうした情報から勉強するのも良いかもしれません。ただChatGPTを運営するOpenAIの中の人によると、「プロンプト・エンジニアリングは確かに注目をあつめている職種だけど、ボク達はそれをもAI化しようとしているので冷静になってほしい」といった内容のツイートもしています。実際に日本でも年内には、MicroSoftのエクセルやGoogleスプレッドシートにはそれぞれ Microsoft 365 Copilot や Duet AI  といったAIが実装されます。ChatGPTを使わなくもデータを開くだけで答えが出てくる、プロモーション動画ではそんな夢の未来が描かれています。

「考える、を、考える」

ただ、こうしたプロモーション動画で期待に胸を膨らませていたのもつかの間、ふたを開けるとガッカリだった、ということは過去何度も経験し学習してまいりました。いずれにしても当面は、難しい局面から答えを導き出すための問題解決能力、いわば「AI時代のプロンプト力」は今まで通り、各企業、あるいは自分自身の財産となってゆくはずです。自分自身の「考えるプロセス」とは何か、自分の回答と模範解答との間に生じるギャップは何か、を自問自答し、時には誰かにアドバイスをもらうことで、AI時代を生き抜いて行く「ヒトとしての問題解決能力」に磨きをかけてゆきたいものです。


この記事を書いた人
株式会社ISSUN(イッスン) 代表取締役 宮松利博
株式会社ISSUN(イッスン) 代表取締役 宮松利博
RIZAPグループ社創業時の商品開発とマーケティングを手がけ3年で年商20億円に成長、上場と同時に保有株を売却し、Webコンサルティング株式会社ISSUNを設立。日本イーコマース学会を立ち上げ、産官学連携にも取り組む。 【Facebook】【Instagram】【YouTube】【twitter】
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