2023/08/16 追記:完了マークをリセットし、Googleが推奨する自動移行に従うガイドを表示させる機能が公開されました
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2023年2月、古いGoogleアナリティクスいわゆる「UA(ユニバーサル・アナリティクス)」の画面にこのような表示が出てくるようになりました。
内容は「このプロパティでは 2023 年 7 月 1 日にデータの処理が停止されます。2023 年 3 月以降もウェブサイトの測定を継続するには、元のプロパティ設定を Google アナリティクス 4(GA4)プロパティに移行する必要があります。移行しない場合、元のプロパティ設定が、既存のサイトタグを再利用して既存の GA4 プロパティにコピーされます。」と記載されています。
つまり、
- UAは、2023年7月1日にデータ計測が停止する
- 測定を継続するには「GA4」のプロパティ作成が必要
- 作成しないと、3/1からGoogleが自動で作成する
- このとき、現時点のUA設定を引き継ぐ
という内容です。これを回避するには2023/2/28までに対応が必要なのですが、対応が必要なのか、どうすれば対応できるのか、などをご説明して参ります。
自動作成されるとなにか問題があるのか?
SNSなどで「自動作成されると困る」というお声も見かけます。「自動作成」自体は親切な機能なのですが、問題は前述の「4.このとき、現時点のUA設定を引き継ぐ」つまりUA設定の「自動移行」です。自動移行されると、本来のGA4の機能が活かされない場合があります。詳細は後ほどご説明しますが、まずは以下の表で、ご自身のUAプロパティが、自動移行される対象なのかどうなのかをチェック頂ければと思います。
なお、今回の自動移行ツールで作成(移行)されるのはUA設定のみです。※1
5秒でわかる私のGAは自動移行される?されない?
わかる方は5秒程度で完了されると思います。一方で「これってどういうこと」「この用語は何?」という方もいらっしゃると思いますので、順番にご説明させていただきます。
まず、「UAがGA4に接続されている」がYes
かつ、「GA4で基本設定が完了している」がYes
なら、自動移行されないということになります。
つまり、自動移行されたくない場合は、この2つの項目を「完了」するか「オプトアウト」という対策をとる必要があるということです。
「UAがGA4に接続されている」とは?
まず、「UAがGA4に接続されている」とは何を意味しているのでしょうか。この確認方法はいたって簡単で、UAの画面で「管理」>「GA4設定アシスタント」をクリックします。
「GA4設定アシスタント」をクリックした次の画面に「接続済み」と出ていれば、すでにUAがGA4に接続されている状態になっています。「未接続」だとまだ接続されていません。
「未接続」の場合、下図のような画面が表示されています。
下記1か2のいずれかの作業で「UAがGA4に接続されている」は完了しますので、どちらが自分の環境にとって適切かをご確認下さい。
- まだGA4プロパティを作成していない場合は、「はじめに」をクリックすると、GA4プロパティを作成し、UAとの接続作業を開始することができます。
- すでにGA4プロパティは作成されている場合は、作成されたGA4プロパティをプルダウンメニューから選択して「プロパティをリンク」をクリックして進むと「接続済み」となります。
「GA4で基本設定が完了している」とは?
上記「UAがGA4に接続されている」の作業が完了したら、UAつまりGA4ではない古いGoogleアナリティクスの画面で下図のように「管理」>「GA4設定アシスタント」と進みます。
次の画面で「接続済み」になっていることを確認してから「GA4プロパティに移動」というボタンをクリックします。
すると「GA4」の管理画面に移動しますので「設定アシスタント」をクリック
「アシスタントの設定」へと進みます。
ここで「x/12個が完了としてマーク済み」と表示されていますね。
どうすれば完了になるかというと、下図のように > をクリックすると表示される「完了とする」をクリックする必要があります。
ただし「編集者」以上の権限がなければ、この作業は実行できません。また、これは自動では完了になりません。一つ一つ手動でチェックしておく必要があります。なお、「完了とする」にチェックに入れた項目は、自動移行の対象にはなりません。ですからすでに設定が完了していたり、設定は未設定だけれど自動移行して 欲しくない項目については「完了とする」を選択しておけば安心です。
逆に「完了とする」にチェックを入れなければ自動移行の対象となります。
例えば部分的に自動移行させたいなっていうものがあればこれは完了をつけずにそのまま2023年2月28日を待てば良いですね。
この基本設定は12個ありますので、これらを全て完了し、「UAがGA4に接続されている」かつ「GA4で基本設定が完了している」状態になれば、プロパティは自動移行がされない状態になります。
ただし、この作業は、2023年2月28日までに行っておく必要があります。(公式ヘルプより)
オプトアウトとは?
上記12個をひとつひとつチェックを入れるのが面倒、あるいはわかりづらくなる、設定している時間が無い、ということであれば、自動移行を停止できる「オプトアウト」という手段があります。
これも2023年の2月の28日までに行っておく必要があります。
方法は、UAの 管理>設定アシスタントと進みます。
すると次の画面で、
「Googleアナリティクス4プロパティ基本設定を自動作成する」がデフォルトでオン(ブルー)になってます。このままだと先ほどの2条件をクリアしていなければ自動移行されてしまいますので、ここでグレーになるようにオフにすれば自動移行を「オプトアウト」したことになります。これも編集者権限以上が必要になります。
複数のプロパティを一括でオプトアウトしたい
たくさんのプロパティを管理されている場合、上記の方法は気が遠くなる場合があります。その場合、一括で行う方法があります。ただこれも2023年の2月の28日までに行っておく必要はあります。
SEMテクノロジーさんが開発提供されていて無料で使えます。
自動処理一括オプトアウトツール:Auto Migration Optout
サイト:https://ga4conf.sem-technology.info/
説明動画:https://www.youtube.com/watch?v=SCOd2cQWoRA&t=0s
自動移行がダメなわけではない
割と批判の多い自動移行ツールですが、実はこんな方におすすめです。
例えば、まだGA4のことをよく知らない、まずはUAの設定をGA4に自動移行して色々と理解していきながらGA4をカスタマイズしていきたい、こういった方にとって自動移行は便利なツールとなります。
自動移行が不向きな方
一方、GA4の便利な機能を最初から使い切っていきたいという場合は、自動移行されるとなにかと不便な場合が多いです。例えば、UAの時に作成したイベントのカテゴリー・ラベル・アクションの名前や目標設定をGA4にそのまま引き継ぎたくないというケースです。
具体的には、購入に関するイベントは、GA4の推奨機能である purchase というイベントに統一したい、それによっていろいろ得られる値などを統一したいというようなケースでは自動移行は不向きです。
自動移行するかどうかは、チーム内で検討を。
と、2/28に迫った自動移行の詳細をお伝えして参りましたが、まずは技術ご担当者やマーケティングや広告担当者とどうすれば良いかご検討されることをお薦めします。解析に使っている語句やGoogle広告の連携に影響するためです。
ということで、Googleアナリティクス2023年2月28日が締め切りとなっている自動移行のオプトアウトについてご説明して参りました。
なお、今回の資料作成にあたっては、マニュアルに記載がない箇所など公開情報が少なかったため、Google社のアナリティクス技術ご担当の方に応援をいただきながら作成させていただきました。ありがとうございます。
また、弊社ではGA4の移管や設定などがご不安な場合のお手伝いもさせていただいております。お気軽にご相談いただければと思います。
※1:今回の自動移行ツールで作成(移行)されるのはUA設定のみです。
UAのデータ自体は移行されず、GA4設置以降のデータが取得されます。
このため、UAデータを残したい場合は別途バックアップ作業が必要です。