「クッキー廃止」でネット広告の成果激減?iOS14.5 の衝撃と対策。 | 株式会社ISSUN(イッスン)

「クッキー廃止」でネット広告の成果激減?”クッキーレス”時代の衝撃と対策

目次

ネット広告業界が震撼する iOS14.5 の衝撃

2021年5月某日、5年愛用した iPhone X が ”バッテリー交換せよ”のメッセージ。修理代7万円コースです。「いたしかたなく」 新たにiPhone 12 ミニ をゲット、で、新しいiPhoneでFacebookアプリを起動するとこんなポップアップ画面が登場。

図:iOS上で個人情報の引き渡し許可を表示する「ATTプロンプト」

つまり、「今使っているアプリとは別のアプリとも、クッキー情報などで個人情報の共有を行いますか?」との問いかけです。・・・このままだと、「許可」は押さないですよね。実際、許可を押している人達は本稿執筆時点の5月では、約25%程度(詳細は後述)。※なおiOS全体に占める影響を受ける iOS14.5以上のユーザ割合は、2021/07/11 時点の日本国内で 80%以上(ISSUN調べ)です。

デジタルマーケティングの「クッキーレス時代」

ことの発端は、GDPRやCCPAなど欧米の個人情報保護法が、GAFAと呼ばれるグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルなどの行うcookieを使ったデータ収集がプライバシー侵害に当たると圧力を高めたこと。GoogleはWEBブラウザ、GoogleChromeでのサードパーティクッキー使用の廃止を宣言し、日本では2020年1月に大きなニュースとして取り上げられました。つまり、グーグルが2022年(2021/06/20追記 2023年後半に延期となりました)でこのcookie技術を廃止して、「リマーケティング広告」「ターゲティング広告」が機能しなくなってしまう「デジタルマーケティングのクッキーレス時代」が広く知れ渡ることになりました。

もう広告業界は騒然です。執筆時点でも「プライバシー、これがiPhone」というテレビCMによって、実質的に「リマーケティング広告終了のお知らせ」が全国に流れるという事態に発展しています

では、どうしてこのATTプロンプトで「ネット広告業界が震撼する」のでしょうか。理由は3つです。

1)iPhoneユーザへのFacebookリマーケティング広告が壊滅状態に
2)ビュースルーコンバージョンがカウントできない
  (つまり、それによるコンバージョン最適化が不可能となる)
3)「個人が特定できる」情報を元にした広告配信ができなくなる

特に大きく影響を受けるのは、Facebook広告とYouTube広告でしょう。表にするとこうなります。

サードパーティCookie廃止で影響を受ける広告(一部抜粋:作成:ISSUN)
(注)iOSのYouTube広告はfacebook広告iOSに準拠

1)2)については、致命的としか言いようがありません。一方、3)については、現場で混同しているケースを見かけますが「化粧品に興味があると思われるfacebookユーザ」など「個人が特定できない【群】」に対するターゲティング広告は、IPやクッキーで特定しているわけではないのでGDPR的にOKなので従来通り可能です。制限を受けるのはあくまで「個人が特定できる」ターゲティング広告です。

ちなみに先ほどご紹介した許可ボタンの画面を「ATTプロンプト」と呼びます。この機能自体がリリースされたのは、2021年4月26日公開の iOS 14.5 からです。告知自体は昨年からありましたが、いよいよ公開スタートとなったわけです。現時点ではややゆっくりではありますが、iOS14.5以降のOSはiPhoneユーザの中で確実にシェアを伸ばしつつあります。現在約15%のユーザがiOS 14.5以上にアップデートしており(2021/07/11時点では90%が平均:ISSUN調べ)、ATTプロンプトが表示された場合、約86%は「許可しない」を押しているようです。(250万人のデイリーユーザに対する調査 iOS14.5対象 FLURRY 2021/5/25)

米国におけるATTプロンプトが表示された場合に許可ボタンを押す割合

3つの「パーティ」を把握しておく

ここで今後、今まで以上に「3つのパーティ」を理解しておく場面が予想されますので、おさらいです。

・ファースト・パーティ・データ・・・自社(ドメイン)が収集したデータ。
・セカンド・パーティ・データ・・・他社(ドメイン)が収集したデータ。
・サード・パーティ・データ・・・自社(ドメイン)以外から収集したデータ。

つまり、サード・パーティー・クッキー(3Pクッキー)とは、自社ドメイン以外で収集したデータのうち「クッキー」を指しています。たとえば issun.com の広告を、facebook.comで収集されたクッキーデータを元にfacebook上でターゲティング広告を実施する場合などです。ちなみに、最近目にする「ゼロ・パーティ・データ」はファースト・パーティ・データの一種とかんがえておけば良いと思います。

つまり、IDFA(アップルが各個人の端末に割り当てるID:Identifier for Advertisers) が利用制限されたり、リマーケが不可能、3Pクッキーでのコンバージョン計測ができないなど、広告成果が劇的に悪化することが予想されるわけであります。

試しに弊社のグーグル・アナリティクスで2021年4月から5月の状況を確認したところ、iOS14.5xはいつもよりアップデートの伸びが悪いことがわかります。アップル側も慎重に、なんらかのコントロールをおこなっているように感じます。

ただし、14.6xのリリース以降インストール率が急速に伸びてきており、おそらく数週間後にiOSのメインOSに切り替わるパターンの動きになっています。(2021/06/20追記)

実際、2021/07/05 段階では、多くのサイトで14.6はiPhoneユーザのほぼ80%が使用するメインOSに切り替わっています。(2021/07/05 追記 ISSUN社調べ。)

cookieレス時代への対策:TODOリスト

では、こうした影響を受ける広告出稿側は、なにを行っておけば良いか。
手っ取り早いのは、「影響を受けないアンドロイド・スマホに特化して広告戦略を設計すれば良い」わけですが、やっぱりiPhone市場は大きいので、良い手とは言い難いです。

そこで、特に影響が大きい Facebook(Instagram)広告とYouTube広告上で、弊社広告チームがGoogleやFacebookとMTGを繰り返しながら行っているタスクリストの一部を共有しておきますのでチェックしてみてください ※弊社はGoogle社から上位数%の代理店として認定を受けており、また、facebook社とも個別MTGを定期的におこなう認定代理店です。常時よりベストな対応を模索しています。

TODO facebookのドメイン認証
 facebookが発行するタグをトップページに埋め込んだあと、facebook ビジネスマネージャから申請して、ドメインあたり8件のコンバージョンイベントに変更すればOKです。詳しくはヘルプを参照してください。
https://www.facebook.com/business/help/126789292407737?id=428636648170202

facebookドメイン認証.png

TODO YouTube広告のサイトワイドタグの実装
 YouTube広告(Google広告)の回避方法としては「サイトワイドタグ」の実装です。つまり昔から使っている「コンバージョンタグ」を直貼りしている場合は、今すぐタグマネージャか gtag.jsを使って回避すべきです。特にGTM / gtag を利用した コンバージョントラッキングが 正確に行われるための各種設定を完了していることが必須条件となります。さらにこれらが関連ドメインすべてに実装されているかのチェックも必要です。
https://www.youtube.com/watch?v=zHXbq_QD-hU

サイトワイドタグ設定

ちなみに、Googleでは2022年以降はChromeでのサードパーティクッキー取得を廃止して、代わりにGoogleの機械学習を中心としたテクノロジー「プライバシー・サンドボックス」で代替する予定と発表しています。

(2021/6/23 追記)Googleによるとこのスケジュールは、2023年後半に延期となるようです。2021/6/20に、Googleがイギリスで「プライバシー・サンドボックス」を使った広告の実験を開始したとのニュースがSNSを賑わしましたが、数日後に「プライバシー・サンドボックスは延期です」の悲報。

TODO その他の手法を試す
ただ、こうした策を打ったとしても代替技術が確立するまではiOSユーザへの効果的な広告の一部が制限を受け続けることには変わりはありません。広告によっては全くお手上げの状態になるケースも出ています。

こうした流れから、影響を早くから受けている海外ではSNSのエンゲージメント施策やSEOが改めて見直されています。

実際にインスタグラムの「シグナル攻略」などの上位表示アルゴリズムの解析と使いこなしは、直近行った弊社セミナー後のレビューの中でも上位の人気コンテンツとなっています。このあたりはまたYouTubeなどでご紹介してゆこうと思います。

その他にも新しい広告技術も注目を集めています。プライバシーを侵害せず、ユーザの利便性を考慮したコンバージョン獲得のためのサービスです。たとえば「Hero」というサービスは、ユーザの満足度を高めながら今までに無い購入体験を提供できる可能性があります。ご興味のある方はぜひチェックされてみてください。
https://www.usehero.com/ja/

■Criteoなどの広告はどうすれば良いのか?

弊社では現在、Google、Facebookだけでなく、Criteo社などと、数日おきにMTGを行い、激動する広告成果に対する対策をとっています。

より詳細な対応につきまして個別にお問い合わせ下さい。※なお、ISSUNではご依頼いただいた企業さまの「上位表示」をより安価に達成するため「1ワード1社だけ」で運用しております。このため、既に弊社クライアント様が使われているキーワードや業態の場合はご回答いたしかねる場合がございますので、ご了承下さい。


この記事を書いた人
株式会社ISSUN(イッスン) 代表取締役 宮松利博
株式会社ISSUN(イッスン) 代表取締役 宮松利博
1992年から営業畑のかたわら、独学で顧客満足向上システムを開発。営業実績を3倍に伸ばし1997年に売却。その後、WEBコンサルタントとしてEC数社を支援し、楽天12部門で1位など獲得(2社は上場)。代表事例には、学校前のパン屋を拠点としたダイエット通販の開発・EC支援で、3年でマイナスから年商20億円に成長させた(現ライザップ)がある。同社株式上場と同時に保有株を売却し、海外視察の後、2011年「小よく"巨"を制す」を掲げ、株式会社ISSUN立上げ。業界No.1に成長するクライアントを多数抱える。JASEC 日本イーコマース学会理事なども務める。
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