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先週、天下のSEO情報サイト、SEOmozの重鎮 Rand Fishkin氏の有名なSEO対策記事に追記するかたちで、Paddy Moogan氏 が「eコマースサイトのためのSEO最適化」という大作を投稿していました。(※原文では「最適化-Optimization」と表現されていますが、SEOmoz内の記事の特性を伝えるために意訳しています。)
個人的には目新しい内容では無かったのですが、コメントを見ていると「よくまとまっている」といった投稿もあり、そうした目で見ると、Googleのペンギンが追加されたイマドキのEC担当者が取り組むべき重要SEO項目だと思えたので、ざっくりと記事を訳してみました。
2012年版:ECサイトで「あなたが取り組むべき15のページ要素」
ソース:http://www.seomoz.org/blog/perfecting-onpage-optimization-for-ecommerce-websites
1)カスタマーレビュー(ユーザの声)は、集客と売上をアップさせる設定になっているか?
・「レビュー(ユーザの声)」はあなたのビジネスを成長させる有益な意見でもあり、訪問者にとっても豊かなコンテンツとなる。
・購入数週間後に、メールでポイント付与などの特典も添えて、レビューを書き込んでもらうようお願いする。
・否定的意見は恐れてはいけない
レビューが無いことでコンバージョン率が低減するのでは無いかと心配するなら、「はじめてのレビューを書いて見ませんか」などのコメントが表示されないように設定できないか、システムを確認してみよう。そして、一定数のレビューが投稿されたら、これらのレビューが表示されるように設定しておけば良い。
また、これらのレビューが検索結果に反映されるようにリッチスニペットを設定さえしておけば、検索結果にレビューがあることが表示され、クリック率の改善が期待できます。
※ISSUN追記:リッチスニペットの実装についてはこちら。 http://support.google.com/webmasters/bin/answer.py?hl=ja&answer=146645
※ISSUN追記:お客様からの反応には自信があるんだけど、価格競争に陥って・・・というeコマースには、こうした施策は良い区別化になりますね。
2) 商品紹介ビデオは、売れる設定か?ほとんどのサイトでココができていない。
多くのeコマースサイトの商品ビデオは最適では無い。ザッポスが50,000以上のビデオを投稿しており、良いサンプルとなる。
http://www.zappos.com/index0.zml
ビデオのメリットは、「情報が豊富なのでリンクを貼ってもらいやすい」「高い品質の動画ならコンバージョンを引き上げる」などがあります。(※明確な証拠を提示てきないが)
また、検索結果で競合よりも目立たせることが可能です。(ザッポスの例)。ただし、動画を正しく埋め込んでおく必要があります。
※ISSUN追記:ここでは改ページや動画スニペットの話になっているので、必要な方はリンク先を参照してください。
※ISSUN追記:Googleが今日発表した、リッチスニペットテストツールも良いデキです。 http://www.google.com/webmasters/tools/richsnippets
3)Q&Aコンテンツは、検索エンジンを考慮しているか?
・ユーザの疑問が解消され、コンバージョン率の上昇が期待できる。
・検索にヒットする状態なら、ロングテールで上位表示され集客が見込める。
・ゲーミフィケーションの要素もあり、また、ファンの醸成にもつながる。
Jessopsが 参考になる: http://www.jessops.com/online.store/products/78032/show.html
※ISSUN追記:日本でも自サイトのコメント以外に、Yahoo知恵袋やOKwaveで、回答してゆくことは効果的。ただしマッチポンプはNGだし推奨しません。
4)ソーシャル・ボタンの「配置場所」を、大きく勘違いしていないか?
・facebookやtwitterボタン
など、製品ページにソーシャル共有ボタンを配置することには懐疑的だ。製品ページの目的は、つぶやいてもらうことよりも購入にあるので、気をそらせることになるのではないか。
・購入完了ページで表示させる
・購入後のメールに、「いいね!」や「フォローする」ボタンを設置
・レビュー投稿完了後
※ISSUN追記:これは半分同感です。ISSUNでも、ソーシャルボタンはできる限り「購入完了ページ」や「サンクスメール」に設置することを薦めています。ただ、どうして半分かというと、購入までに時間や訪問回数が必要な商材やサービスなら、購入ボタンより少し離して「いいね!」ボタンやtwitterボタンを設置しておくことは効果的だからです。ここは各自で自社にあった配置を検証されてみて下さい。
また、facebookやtwitterなどにログインしているユーザに、特別なメッセージを表示させることでシェアを誘発する方法も可能で、これは興味深い解説でした。http://www.tomanthony.co.uk/blog/detect-visitor-social-networks/
・表示スピードに留意 また、こうしたボタンの配置は、「ページの表示スピード」という、SEOと密接な関係の要素を下げてしまうことがある。ページ速度はSEOだけでなくコンバージョン率も改善するので、こうしたところも留意したい。
# Craig Bradford による「サイトの速度向上のためのガイド」を紹介しておく# http://www.distilled.net/blog/seo/site-speed-for-dummies-part1/
・OGP設定
これを設置しておかないとフェイスブック上で正しく共有されません。
参考記事
wordpresshttp://yoast.com/facebook-open-graph-protocol/
OGPの理解http://searchengineland.com/optimize-facebook-open-graph-tags-they-are-the-50-105799
チートシートhttp://www.seomoz.org/blog/the-web-developers-interactive-cheatsheet-for-seo-and-the-open-graph
※ISSUN追記:日本で利用者の多いEC-CUBEにOGP設定する場合はこちらが参考になります。http://web.showjin.me/2011/08/eccube_ogp.html
5) 売上をアップさせる「サイト内検索」のデータを使いこなしているか?
ナビゲーションが充実していれば、ユーザが検索機能を使うことは無いが、検索を好むユーザも存在するし、これらのデータを集積することは、サイト改善(ユーザビリティの向上)にもつながる。
・利用するCMSの機能や、googleの機能を使おう。
・検索したあとの直帰率を低下させよう・検索結果を実際にチェックして、期待通りの果になっているか確認しよう。・複数形か、単数形かを識別して、複数購入を察知することは重要です。・キーワードに関連した、特別オファーや割引もプルダウン表示させる・プルダウン表示の横には商品画像を見せる。
※ISSUN追記:google サイト内検索の設定について
※ISSUN追記:これも良く勉強会などで話題になる話です。上記の対応方法は同感ですが、検索ワードが複数形ならセット商品を表示させるのは、日本では少々難しいかもしれません。かわりに、セット商品もあります、と検索候補を表示させる方法はありますね。ただ、アップルが検索結果に画像を見せていたのはちょっと前までだったような気が・・・。
6)ページ内の「購入への導線」(購入はコチラ など)で損をしていないか?
・トラフィックを多く得ることだけではなく、ヒートマップツールやイベントトラッキングで「購入への導線」(例えば「ご購入はコチラ」など)が明確に認識されているかを確認して、ページの構造を改善しよう。
Crazy Egg:http://www.crazyegg.com/ClickTale:http://www.clicktale.com/イベントトラッキング活用:http://www.seomoz.org/
※ISSUN追記: 日本ならヒートマップもありますね。:http://userheat.com/
※ISSUN追記:ここでは触れられていませんでしたが、業種によって大きくことなるのが、ユーザが使っているパソコンの「解像度」です。analyticsで自社の傾向をチェックして「購入への導線」をファーストビューに設置しておくことは重要です。場所は以下のとおりです。
新analytis:ユーザ>ユーザの環境>プライマリ ディメンション:画面の解像度
旧analytics:ユーザ>PC環境>画面の解像度
7)信頼のマークは設置しているか。
クレジットカードの利用や購入に対する安心感を保証してくれる「信頼できるマーク」を設置しよう
※ISSUN追記:日本のECなら、SSL証明書やPマークなどが活用されていますね。
8)パンくずリスト(トピックパス)は正しい方法で設置しているか?
9)画像専用のサイトマップの不備で、売上を逃していないか?
・コンバージョンをアップさせる画像の最適化7つのポイント ※duematanityの例は参考に。
・ファイル名にもSEO効果を意識してキーワードを入れる
・ALTタグを書いておく
・画像情報もsitemap.xml で送信しておく
※ISSUN追記:画像や動画のサイトマップはビジュアルに訴求できるECの場合、極めて有効です。まだの方は、googleヘルプを参照して設置して下さい。http://support.google.com/webmasters/bin/answer.py?hl=ja&hlrm=en&answer=178636
10)META要素ひとつで、まだ売上は変わる。内容を確認してみよう。
・title タグ
できれば、商品情報などが自動的にmetaタイトルやディスクリプションに組み込まれていることが望ましい。商品名、購入はコチラ、商品の強み(USP)などが記されるように、開発の際にはあらかじめ考慮しておこう。また、「無料配送」など、検索結果からクリックされやすいキーワードも埋め込んでみる。重複するメタデータを避けるために、何らかのキーを入れておくことも大切。
・descriptionタグ
上位表示よりも検索結果からのクリック率を上げる工夫をしよう。タイトルタグ同様、購入はコチラ、商品の強み、などが自動的に埋め込まれるように、開発時に検討しておく。
※ISSUN追記:パンくずリスト部分を自動挿入しておくとユーザにとっても分かりやすくなるケースが多い。
※ISSUN追記:ちなみに、返品時でも送料無料をマーケティングコストとして打ち出している「Zappos」の商品詳細のtitleタグ、descriptionタグにはいずれも「Free Shipping BOTH Ways (購入時、返品時、どちらも送料無料)」と書かれている。
11)商品詳細に「強み」はあるか?
Googleの最近追加されたアルゴリズムでは(post-Panda)、商品詳細がひとつひとつ異なっていることが重要となる。もしメーカーの商品説明などをそのままつかっているのであれば、他のサイトと同じ文言となってしまいSEO的にも良い方法ではありません。個性ある魅力的な商品説明の作成に時間を費やし、低価格や送料無料などの強みがふくまれていることを確認しましょう。
※ISSUN追記:低価格に依存した記事になっていますが、価格競争に巻き込まれない工夫も必要だと考えます。高額であることが強みであるケースも含め、その店で買うことの大きな区別化ポイントを詳細に記述する必要があると考えます。
12)ページのURLでランクを落としていないか。
カテゴリ分類することで、同じ商品が複数のディレクトリに存在することは好ましくありません。rel=”canonical” で回避することも可能ですが、ベストでは無い。もしそのような配置にするならば、 www.example.com/product-name-12345 といった風に、商品名以外にも、商品コードを使用してURLにすることです。
※ISSUN追記:カテゴリ分類が悪いと言うことでは無く、同じ商品が複数のカテゴリに存在するような設計よりも、一意なURLのみのほうが望ましい、という意見ですね。ここはSEO的にも賛否が分かれる所だと思います。
13)H1タグの迷信に未だに踊らされて、逆にランクを下げていないか?
h1タグがSEOに効果を持たないことは、今までも何度にもわたって SEOmozの研究で示されている。ただし、お作法としては、製品名は、自動的にページのH1タグにしたほうが良い。ウェブサイト全体で重複したH1タグを除去するために役立つ。
※ISSUN追記:h1タグ自体の効果はいくつかの見方があると思います。ただ、サイト内に重複しないh1を持たせる、という点については結果的にSEO効果を高めるものではないでしょうか。
14)電話番号の使い方で、思いがけない機会損失をしていないか?
公開できるなら電話番号は記した方が良い。顧客サポートだけでなく、信頼の証にもなります。
また、もしカート内で離脱した際に、顧客の電話番号がわかるのであれば、なぜ離脱(カゴ落ち)したのか、電話してみると良い。売上に繋げるためだけでなく、思いがけないフィードバックを得ることができる。
※ISSUN追記:実際に行う場合は、そのような電話をかけることを明記しておく必要があると思います。)
15)会社詳細は、うすうす勘づいていても手を着けていなければ致命的。
実店舗であれば、なおさらだが、Googleと地元のユーザに、あなたの店舗の場所とキーワードを明確に伝える必要がある。こうした情報を記載してみよう → http://schema.org/Organization
※ ISSUN追記:システマティックな記述も重要だが、会社概要は購入前のユーザがよく閲覧するコンテンツでもあるので、企業の考えや理念、購入を決心できるだけの情報なども記載しておく必要がある。
以上です。
いかがでしたでしょうか。こうしてみると、ザッポスがECサイトとして技術面でも、米国の先端SEO業界でいかに注目を集めているかが分かり、その施策が優れている点も理解できます。ソーシャルだけではなく、実利をしっかり取るための施策がなされている、ということです。
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