Googleは2026年10月13日、デマンドジェネレーション キャンペーンの月次の更新情報「Demand Gen Drop」で、「データの強さ(Data Strength)」をテーマにした更新を発表しました。Google広告の管理画面に、自社のデータの設定によってどれだけコンバージョンが増えたかを示す新しい指標が加わるほか、データを管理する「データ マネージャー」がGoogleアナリティクスなどにも広がります。
先に結論をお伝えします。Googleの広告は、AIが自動で入札や配信先を決める仕組みが中心になっています。AIの判断のもとになるのは、自社から渡すコンバージョン(問い合わせ・購入など)のデータです。中小企業がまず取り組みたいのは、1. 拡張コンバージョンを有効にすること、次に2. Googleタグ ゲートウェイ、3. データ マネージャーを、自社の環境に合わせて検討することです。
本記事では、Googleの公式情報(2026年10月14日時点で確認)をもとに、今回の発表の内容と、計測を強くする3つの設定を中小企業向けに整理します。
今回の発表の内容
10月13日の発表は、9月10日にGoogleが発表した計測の更新を、デマンドジェネレーション向けにまとめ直したものです。主な内容は次のとおりです。
| 更新 | 内容 | 提供状況 |
|---|---|---|
| データの強さによる増加分の指標(Data Strength Uplift) | 自社のデータの設定によって、追加で計測できたコンバージョンを管理画面に表示する | Google広告で提供開始と発表。国や日付の記載はなし |
| データ マネージャーの拡大 | 自社のデータをつなぐ「データ マネージャー」が、GoogleアナリティクスとDisplay & Video 360にも広がる | 時期の記載なし |
| 拡張コンバージョンの拡大 | 拡張コンバージョンが、GoogleアナリティクスとDisplay & Video 360でも使えるようになる | 「近日提供」 |
| ベストプラクティスの更新 | データの強さを高めるための手順をまとめたガイドを更新 | 公開済み(英語) |
![Google広告の[目標]→[コンバージョン]→[概要]の画面。右上に「過去14日間で5%のコンバージョンが追加で計測された」と表示されている](https://storage.googleapis.com/gweb-uniblog-publish-prod/images/Uplift_Metric-V2.width-1200.format-webp.webp)
画像出典:Google「Drive profitable growth with new data and measurement tools」
画面の表示例では、データ マネージャー、Googleタグ ゲートウェイ、拡張コンバージョンといったファーストパーティデータ(自社で集めたデータ)の機能を使うと計測の精度が上がる、と案内されています。
参考記事 Google:Build your data strength with October’s Demand Gen drop(英語)/Google:Drive profitable growth with new data and measurement tools(英語)
なぜ「データの強さ」が大事なのか
ブラウザのプライバシー保護の強化などで、広告をクリックした人がその後に問い合わせや購入をしても、計測できないケースが増えています。計測できなかったコンバージョンは、AIから見ると「なかったこと」になり、本当は成果の出ている広告やキーワードに予算が回りにくくなります。
Googleは、自社のデータを使った計測の設定によって、次のような増加があったとしています(いずれもGoogleの社内データ、全世界の平均)。
| 設定 | Googleが示した数値 | 集計の条件 |
|---|---|---|
| 拡張コンバージョン | 検索のコンバージョンが平均11%増加 | インポートしたコンバージョンで、標準のインポートと拡張コンバージョンを比較(2026年1月1日〜14日) |
| Googleタグ ゲートウェイ | コンバージョンが平均14%増加。デマンドジェネレーションでは平均20%超 | 2024年7〜12月と2025年1〜6月の比較。デマンドジェネレーションは2026年6月3日〜17日 |
| データ マネージャー(オフライン・アプリのデータ接続) | 増分のROASが平均26%増加 | コンバージョン値で入札する検索キャンペーン(2025年4月〜2026年4月) |
これらは平均の値で、自社で同じ効果が出ることを約束するものではありません。ただ、どの設定もコンバージョンの「取りこぼし」を減らす方向に働きます。
中小企業が取り組みたい3つの設定
| 設定 | 何をするか | 向いている会社 | 難しさ |
|---|---|---|---|
| 1. 拡張コンバージョン | 問い合わせや購入の際に入力されたメールアドレスなどを暗号化して送り、計測を補う | Google広告でコンバージョンを計測しているすべての会社 | 低い〜中(自動検出なら管理画面の設定が中心) |
| 2. Googleタグ ゲートウェイ | Googleのタグを自社のドメインから読み込み、計測データも自社のドメイン経由で送る | CloudflareなどのCDNを使っているサイト | 中(Cloudflareなら連携機能あり) |
| 3. データ マネージャー | 顧客リストやオフラインの成約データなどを、Google広告とつなぐ | 電話や商談など、サイトの外で成約する会社 | 中〜高 |
1. 拡張コンバージョン:まず有効にしたい基本の設定
拡張コンバージョンは、サイトで集めた顧客データ(メールアドレス、氏名、住所、電話番号など)を、SHA256という一方向の方式で暗号化(ハッシュ化)してGoogleに送り、コンバージョンの計測を補う仕組みです。Googleタグで設定する場合の流れは次のとおりです。
- Google広告のコンバージョンの設定で拡張コンバージョンを有効にし、顧客データの取り扱いに関する規約に同意する
- データの取得方法を選ぶ。「自動検出」「CSSセレクタやJavaScript変数の指定」「コードの追加」の3つがあり、自動検出は手間が少なく多くの広告主に向いているとされる
- 約72時間後、[目標]→[概要]から対象のコンバージョンアクションの「診断」で、正しく動いているかを確認する
Googleタグ マネージャーやAPIでも設定できます。効果がレポートに表れるまでは約30日かかります。なお、Googleアナリティクスから取り込んだ目標のコンバージョンは対象外です。メールアドレスは、送る情報の中でも特に推奨されています。
参考記事 Google 広告 ヘルプ:拡張コンバージョンについて/Google 広告 ヘルプ:Google タグを使用して拡張コンバージョン(ウェブ向け)を設定する
2. Googleタグ ゲートウェイ:自社のドメインからタグを読み込む
通常、Googleのタグは Google のドメインから読み込まれます。Googleタグ ゲートウェイを使うと、タグを自社のドメインから読み込み、計測のデータも自社のドメインを経由してGoogleに送るようになります。Googleは、コンバージョン計測の精度向上や、プライバシー保護の強化につながるとしています。
Cloudflare、Akamai、Fastly、Amazon CloudFront、Google Cloud のロードバランサなどで設定できます。Cloudflareを使っているサイトは、Google広告の画面から連携して設定できます。[ツール]→[データ マネージャー]→「Google タグ」の[管理]→[管理者]→[Google タグ ゲートウェイ]から、Cloudflareにログインして対象のドメインを選びます。Cloudflare側では、管理者などの権限が必要です。
一方、CDNを使っていない一般的なレンタルサーバーのサイトでは、すぐには設定できないことがあります。その場合は、まず拡張コンバージョンを優先しましょう。同意の状況によってタグの動きを変えている場合は、同意モードの設定もあわせて確認してください。
参考記事 Google 広告 ヘルプ:広告主向け Google タグ ゲートウェイでコンバージョンの測定と広告のパフォーマンスを向上/Google 広告 ヘルプ:Cloudflare を使用して Google タグで広告主様向け Google タグ ゲートウェイを設定する
3. データ マネージャー:サイトの外の成約もつなぐ
データ マネージャーは、Google広告の[ツール]→[データ マネージャー]から使える、自社のデータを取り込んで管理するための画面です。一度つないだデータを、次のような用途で使い回せます。
- オフライン コンバージョンのインポート:電話や商談、来店など、サイトの外で成約したデータをGoogle広告に戻す
- カスタマー マッチ:顧客リストを使って、既存の顧客に広告を出したり除外したりする
- 拡張コンバージョン:リードの成約データを拡張コンバージョンとして送る
BigQueryやHubSpotなどとつなげるほか、ファイルの取り込みにも対応しています。問い合わせの後に営業担当が成約を判断するBtoBや、高額商品・サービスの会社では、「問い合わせ数」ではなく「成約」をAIに学ばせられるため、効果の出やすい設定です。
参考記事 Google 広告 ヘルプ:Google 広告データ マネージャーについて
あわせて見直したい基本の設定
Googleのヘルプ「データ活用のベスト プラクティス」では、データの強さを高める手順として、次の4つの段階を挙げています。3つの設定の前提として、基本ができているかも確かめましょう。
| 段階 | 主なアクション |
|---|---|
| 1. データソースを接続する | サイト全体にGoogleタグ(またはGoogleタグ マネージャー)を入れる。GoogleアナリティクスとGoogle広告をリンクする。オフラインのデータをデータ マネージャーにつなぐ |
| 2. シグナルを最大限に活用する | メールアドレス、拡張コンバージョン、同意モードによる同意の情報を含める。コンバージョンに値(金額)を設定する |
| 3. Google AIを活用する | コンバージョン値の最大化などのスマート自動入札を使う。新規顧客の獲得か既存顧客の維持か、目標をはっきりさせる |
| 4. 費用対効果を確かめる | テストで広告の効果(増分)を測る。予算の配分を見直す |
GoogleアナリティクスとGoogle広告のリンクがまだの場合は、まずそこから始めましょう。GA4側で見る数字の整え方は、GA4に「ダッシュボード」が登場|作り方と、自社サイト以外のデータを外すホスト名フィルタの設定【2026年9月の新機能】でも解説しています。
参考記事 Google 広告 ヘルプ:データ活用のベスト プラクティス
よくある質問
Q. 拡張コンバージョンで、顧客の個人情報がGoogleに渡ってしまいませんか?
メールアドレスなどは、送る前にSHA256で暗号化(ハッシュ化)され、元の文字に戻せない形で送られます。Googleは、データの機密性と安全性を保ち、プライバシーに配慮したコンバージョンだけをレポートするとしています。利用にあたっては、Googleの顧客データに関するポリシーに同意する必要があります。自社のプライバシーポリシーで、広告の計測にデータを使うことを説明しておきましょう。
Q. 新しい「データの強さによる増加分」の指標は、どこで見られますか?
Googleが公開した画面の例では、[目標]→[コンバージョン]→[概要]の画面に表示されています。日本のアカウントでの提供時期は、2026年10月14日時点で明記されていません。拡張コンバージョンを使っている場合は、今でもコンバージョンアクションの「診断」から、拡張コンバージョンの状況を確認できます。
Q. コンバージョンが少ないアカウントでも効果はありますか?
計測の取りこぼしを減らす点は同じですが、AIが学ぶにはある程度の件数が必要です。コンバージョンが少ない場合は、計測を整えたうえで、成約に近い行動(資料請求・電話タップなど)も計測するなど、AIに渡すデータの量を増やす工夫もあわせて検討しましょう。
まとめ
- Googleは2026年10月13日、「データの強さ」をテーマにした更新を発表した。Google広告に、自社のデータの設定で増えたコンバージョンを示す指標が加わる
- AIが入札や配信を決める今、AIに渡すコンバージョンのデータの取りこぼしを減らすことが成果に直結する
- 中小企業がまず取り組みたいのは拡張コンバージョン。Googleタグで、自動検出なら管理画面の設定が中心
- Cloudflareなどを使っているサイトはGoogleタグ ゲートウェイ、サイトの外で成約する会社はデータ マネージャーも検討する
- GoogleアナリティクスとGoogle広告のリンク、コンバージョンの値の設定など、基本の設定もあわせて確認する
Google広告のAIに任せる範囲については、Google広告「AI Max」のAI Briefが日本語対応へ|自分の言葉でAIに指示する新機能と、今からできる準備もあわせてご覧ください。
ISSUNでは、Google広告のコンバージョン計測の見直しや、拡張コンバージョン・オフライン コンバージョンの設定を支援しています。「計測が正しくできているか確認したい」「成約のデータを広告に生かしたい」といったご相談は、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。
参考にした公式情報(2026年10月14日確認)
- Google:Build your data strength with October’s Demand Gen drop(2026年10月13日、英語)
- Google:Drive profitable growth with new data and measurement tools(2026年9月10日、英語)
- Google 広告 ヘルプ:拡張コンバージョンについて
- Google 広告 ヘルプ:Google タグを使用して拡張コンバージョン(ウェブ向け)を設定する
- Google 広告 ヘルプ:広告主向け Google タグ ゲートウェイでコンバージョンの測定と広告のパフォーマンスを向上
- Google 広告 ヘルプ:Cloudflare を使用して Google タグで広告主様向け Google タグ ゲートウェイを設定する
- Google 広告 ヘルプ:Google 広告データ マネージャーについて
- Google 広告 ヘルプ:データ活用のベスト プラクティス


