葉隠れ・五輪・無限って?AI時代を読み解くマーケティング用語

目次

AI(機械学習)が登場するまでの「デジタル・マーケティング」時代

デジタル・マーケティングの入り口とも言える「グーグル広告」。たとえば加藤牧場がビールで育てた「ビール牛」をあなたがネット通販で販売したい場合、グーグルで「ビール牛」と検索したユーザに「明日お届け、サッパリ味のビール牛:加藤牧場から直送」という広告を表示させて、1クリックごとに50円支払う、という方法で自社ECサイトへ集客できるわけです。ただここで昔から問題とされてきたのは、ユーザの中には、通販には興味が無くレシピを探していたり、近くの百貨店での購入を検討しているケースもあるため、「ビール牛」というキーワードだけではムダクリックが発生しやすいために、「ビール牛 通販」や「ビール牛 お取り寄せ」とキーワードを絞り込む必要がありました。実際に、絞り込めば絞り込むほど、成果は良くなる傾向にあったのがハガクレ登場以前の「グーグル広告」だったのです。

グーグル・ハガクレでほんとに売れるのか?

しかし、2010年に入ると、徐々に「人工知能・機械学習」といった技術をグーグルが活発に買収しはじめ、広告の分野でも活用されるようになりました。そこで生まれたのが「ハガクレ(hagakure)」と呼ばれるグーグルが提唱した広告の運用手法です。要は、「グーグル広告のAIが賢くなってきたから機械で処理しておきます、あとは人としてやるべき作業に集中しといてくださいよ、それで費用対効果が良くなりますよ」というもの。具体的には、各キーワード毎に広告文を作っていた作業を辞めて、成果のでる広告文さえ作ってくれれば、ちょっと関係なさそうなキーワードでもAI(機械学習)がコンバージョンが出るかどうかを判別して出す出さないを最適化しておきますよ、どうです楽でしょ?というものでした。

ハガクレを導入して検証した結果、良いケースもあれば、悪いケースもある、という結論に至った方がほとんどだったのではないでしょうか。結局のところ、人が手間暇かけて「ホームラン・キーワードと広告文」を見つけるのは、単純作業だけど機械に任せるにはまだちょっと早いよね、と。ハガクレ、それはつまり、AI(機械学習)に学習させるための「データ蓄積」というコストを使って成果を上げましょう、という主旨だったのですが、多少はラクになったけど「今後に期待」という段階でした。

ゴリンで、AI(機械学習)が人を超え始めた。

グーグルがハガクレのあとに提唱したのが「ゴリン(GORIN)」です。2017年ごろに公式ブログに公開されたように思いますが今は削除されたのか見つけられませんでした。ゴリンは、ハガクレに加えてコンバージョンしそうにないユーザには広告表示させませんよ(ムダ広告費の削減)、逆にコンバージョンしやすい人にはさらにクリックされやすく広告行を多めに出しますよ(機会損失の低減)、と、一見するとハガクレと大差ない地味なイメージですが、実際に使って見ると「AI(機械学習)が人を超え始めた!自動に任せた方がよいかも!」とはじめて体感できた瞬間だったように思います。このあたりから筆者のセミナーでも、部分的には自動入札をお薦めする機会が増えてきたように思います。

デジタル・マーケティングの成長は、ムゲンに!

「ゴリン(GORIN)」によって、人が単純作業で苦労しなくても、AI(機械学習)がグーグル広告を効率化してくれることが部分的にでも実証されたあと、2019年に入ると、グーグルは「ムゲン(MUGEN)」という考え方を発表します。読んで字のごとく、「効率よくできたので、今度は売り上げ数を増やします!だから表示回数も増やして売り上げをムゲンに成長させましょう!」という内容です。
果たしてそんな簡単に、売上を増やすことができるのでしょうか?ロジックとしてはこうです。今までは購入しそうなユーザに対して見逃すことなく広告表示させることで売上成果をあげてきました。対して「限りなく購入に近いユーザだけどまだ迷っている」「もう少し知識がつけば当社製品を必要として買ってくれるだろうな」という、今後の「見込み客」の育成もAI(機械学習)で自動化しますよ、という取組です。具体的には、あなたのECサイトを予めグーグルボットが巡回して、AI(機械学習)が見込み客育成のためのシナリオとなるキーワードと広告を自動的に生成して表示させる、加えてオプションを追加すれば来訪ユーザも増える、というしくみです。当然、GORINがベースなので費用対効果はバッチリ、売り上げ成長だってまさしく「無限!」と、AI(機械学習)によって夢のような未来が到来することが予想されるわけですが、当社においては、まだまだ検証段階です。また一定の成果が認められましたら、本ブログでもシェアしてゆきたいと思います。


この記事を書いた人
株式会社ISSUN(イッスン) 代表取締役 宮松利博
株式会社ISSUN(イッスン) 代表取締役 宮松利博
1992年から営業畑のかたわら、独学で顧客満足向上システムを開発。営業実績を3倍に伸ばし1997年に売却。その後、WEBコンサルタントとしてEC数社を支援し、楽天12部門で1位など獲得(2社は上場)。代表事例には、学校前のパン屋を拠点としたダイエット通販の開発・EC支援で、3年でマイナスから年商20億円に成長させた(現ライザップ)がある。同社株式上場と同時に保有株を売却し、海外視察の後、2011年「小よく"巨"を制す」を掲げ、株式会社ISSUN立上げ。業界No.1に成長するクライアントを多数抱える。JASEC 日本イーコマース学会理事なども務める。
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